最終学歴が中学卒業であったり、高校を卒業していない状態でも通信大学へ進学することができます。
世間一般では、高校を卒業しなければ大学へ入学できないと思われていますが、実はそんなことはありません。
まず高校を卒業していない人が大学進学するのであれば、以下の3つの方法を選択することになります。
- 特修生制度
大学に入学資格のない人対象。通信大学で勉強し、通信大学へ入学する資格を得る。 - 高卒認定
一般的な高校で得られる。高校を卒業したレベルであると認められ大学入学資格は得られるが、その時点での最終学歴は中卒となる。 - 高卒資格
一般的な高校や通信制高校で得られる。大学入学資格を得られる。
このいずれかの方法を利用すれば、大学に進学することができます。そして大学を卒業すれば「大学卒業資格である学士」を得ることができます。
つまり最終学歴が「大学卒業」となるのです。
さらにこの3つの方法の中で「特修生制度」を利用することで、入学試験を受けずに通信大学へ進学することができます。
大学に入学するためには資格が必要
一般的には高校を卒業することで、大学に入学する資格を得ることができます。
つまり大学への進学条件は「高卒資格や高卒認定を持っていること」が基本です。
ところが高校を卒業していなくても大学へ進学する方法があるのです。
これが「特修生制度」というものです。進学先は特修生制度を設けている通信大学のみとなりますが、その通信大学を卒業すれば最終学歴は「大卒」となります。
高校を卒業していない人が大学に行く3つの方法
冒頭でもお話ししましたが、高校を卒業していない人が大学へ行くためには3つの方法が考えられます。
- 特修生制度
通信大学で勉強し、通信大学へ入学する資格を得る。 - 高卒認定
一般的な高校で得られる。高校を卒業したレベルであると認められ大学入学資格は得られるが、その時点での最終学歴は中卒となる。 - 高卒資格
一般的な高校や通信制高校で得られる。大学入学資格を得られる。
よく知られる方法としては、「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験・高認)」に合格するという方法でしょう。
高校を卒業する程度の学力があるかを試験を受けて審査するといったものです。
後は最近知名度を上げてきている「通信制高校などを卒業し高卒資格を得る」といった方法もあることでしょう。
しかしそれ以外にも大学に入学する資格を得ることができるのです。それが「特修生制度」です。
「特修生制度」を利用することで、最終学歴が中学卒業や高校中退の状態でも、大学に入学する資格を得ることができるのです。
ただし入学する大学は、特修生制度を設けている通信大学となります。
特修生制度を利用した大学入学の流れ
多くの通信大学が特修生制度を設けています。
通信大学によって多少の違いがありますが、基本的には以下のようになります。
- 1.特修生として入学する。
- 2.大学が指定した科目の16単位前後を修得する。
- 3.大学入学を希望する年には満18歳になっていること。
特修生の段階ではまだ大学生ではありません。イメージとしては大学生になるための予備大学生のような感じです。
これらをクリアすることで、特修生として在籍した通信大学の正科生1年次への入学資格を得ることができるのです。
特修生の在籍期間は2年間のため、その間に16単位を修得する必要があります。実際16単ほどであれば、6ヵ月~1年以内に修得可能です。
特修生として単位を修得することが入学試験の代わり
特修生になるためには試験は必要ありません。書類選考のみです。
そもそも通信大学も入学試験がなく書類選考のみとなります。
しかし特修生となった後に、先ほどお話しした16単位を取得しなければなりません。それがある意味、入学試験代わりといってもよいかもしれません。
特修生になるための条件 中学卒業以上
特修生になるための最低条件は、「中学を卒業していること」です。
つまり以下のような状況の人が対象となります。
- 中学卒業している
- 高校を中退している
そして入学試験はありません。書類選考のみです。
たとえばサイバー大学では、入学願書や志望動機書を提出する必要があります。しかしこれらはオンラインで入力し提出することが可能です。
※2025年より特修生は科目等履修生に統合予定
さらに「証明書(住民票や健康保険証のコピーなど)」、と「証明写真を1枚」を簡易書留で郵送するだけです。
1年で何度も出願受け付けあり
通信大学は一般的な大学と異なり、1年の内で何度も願書を提出することができます。
たとえば北海道情報大学では、2022年では春期入学と秋期入学に受付があり、春には6回、秋には5回、出願を受け付けました。つまり1年で11回も出願機会があるということです。
そのため「高校を卒業していない。でも大学を卒業したい!」と思ったら、いつからでも道を切り開くことができるのです。
特修生の3つの勉強方法
特修生の勉強方法は主に3つあります。
- レポート
- レポート + 試験
- スクーリング(試験)
つまり自分の好きなところで、好きなペースで勉強することができるということです。
自己管理できないと勉強は続かない
私は通信大学で教員免許を取得しましたが、その経験から言うと「自己管理できないと通信での勉強は続かない」という点が挙げられます。
通信での勉強は自分でいつ、どのくらい勉強するのかを決めることができます。学校のように「今からこれを勉強しましょう。次にあれを勉強しましょう。」と指示はしてくれません。
そのため計画的に勉強を進めないと、結局レポートを作成しない、試験を受けないということになってしまいます。
参照 そのうち・・・なんて考えているとどんどん時間は経っていく
通信大学は普通の大学?正科生1年次って何?
通信大学は一般的な大学と同じです。文部科学省でも認定されているものです。
勉強する方法や場所が異なるというだけです。
そのため、通信大学を卒業すれば、一般の大学を卒業したときに得られる「大学卒業資格」を得ることができます。つまり最終学歴は「大学卒業」となるわけです。
正科生1年次は大学1年生
正科生1年次は大学1年生のことです。「正科生」とは卒業資格を得る学生のことを指します。
つまり大学で定められた教育課程に従って勉強し単位を取っていけば、最終的に大学卒業資格を与える対象となる生徒ということになります。
これは特修生制度を利用して通信大学に入学してもです。
特修生制度を設けている通信大学
特修生制度を設けている通信大学を一部紹介します。
大学によっては特修生制度とは呼ばず、他の呼び方をしているケースもあります。たとえば聴講生であったり科目履修生であったりです。
そのため判断する1つの材料としては、各通信大学のホームページに「入学の条件」が掲載されています。そこを見てみるとよいでしょう。
もしわからない場合には、直接大学へ連絡して聞いてみるのもよいでしょう。
高卒認定や高卒資格を取得して大学へ
特修生制度を利用する以外に、高卒認定や高卒資格を取得することで、大学へ進学する道が開かれます。
高卒認定と高卒資格の違い 言葉は似ているが違うもの
高卒認定と高卒資格は言葉が似ており、同じもの、もしくは表現の違いと思われることがありますが、明確に違うものとなります。
- 高卒認定
一般的な高校で得られる。高校を卒業したレベルであると認められ大学入学資格は得られるが、その時点での最終学歴は中卒となる。 - 高卒資格
一般的な高校や通信制高校で得られる。大学入学資格を得られる。
つまり高卒認定の場合、取得した段階ではまだ最終学歴が「中卒」となります。
しかし高卒資格の場合、取得したら最終学歴は「高卒」となるのです。
どちらを取得していたとしても、その後大学に入学し卒業さえすれば、最終学歴は「大卒」となります。
就職するときにデメリットが発生することも
高卒認定は最終学歴が中卒となってしまいます。そのため大学に進学せずに就職の道を選んだ場合、中卒の扱いを受ける可能性があります。
これは就職する企業によって判断が分かれるところです。企業によっては、高卒と扱ってくれる可能性もあります。
高卒認定の取得方法 1年に2回のチャンス
高卒認定を取得するためには、文部科学省が行う「高等学校卒業程度認定試験」に合格する必要があります。
受験科目は8科目~10科目となります。
合格基準は各科目40%ほどといわれているため、決して難しい試験ではありません。しかし受験科目数が多いため、幅広く対策しておく必要があります。
受験資格は16歳以上だが
高卒認定の試験の受験資格は満16歳以上となっています。そのため16歳でも受験することが可能です。
ところが大学受験は18歳になる年度から可能となります。つまりもし18歳未満で合格したとしても、大学受験ができるのは18歳になる年度からということになります。
最終学歴を高卒にしたいのなら高卒資格を
最終学歴を高校卒業にしたいのであれば、高卒資格を取るようにしましょう。最終学歴を大卒にするつもりであれば、高卒認定でもよいかもしれません。
高卒資格を取得する6つの方法
高卒資格を取得するためには6つの方法があります。
- 全日制の高校
一般的な全日制の高校のこと。 - 通信制の高校
1週間に数日通ったり、1ヵ月で数日通うなど、学校によって異なるシステム。 - 定時制の高校
夜間に通うスタイルの高校。3年~4年での卒業が一般的。 - 高等専門学校
技術者になるための専門教育が行われる。卒業には5年必要。 - 高等専修学校
卒業すると高等学校卒とはならず高等専修学校卒となります。ただし高卒資格を得ることは可能です。 - サポート校
高卒資格を得るための塾のような存在。通信制高校へ同時入学をすることで高卒資格が取得可能。
これらのいずれかを選択することで高卒資格を得ることができます。つまり最終学歴を「高卒」にすることができます。
高卒資格を得ることで、大学受験を行うこともできます。大学は一般的な大学を選択することもできますし、通信制の大学を選択することもできます。
一般的な大学を狙うのであれば入学試験に合格する必要があります。通信制大学の場合には、入学試験はなく書類選考のみです。
大学や通信大学への進学方法はいろいろ 卒業したら大学卒業資格を得られる
以上のように、大学や通信大学への進学方法はいろいろあることがわかると思います。
- 特修生制度
- 高卒認定
- 高卒資格
上記した3つの方法を利用すれば、大学や通信大学への進学は可能です。
一般的に大学というところは、勉強を沢山して入学試験を受け、それに合格し入学するものであるというイメージがあると思います。
しかし違った入学方法もあるのです。
どのような入学の仕方をしたとしても、卒業するときには大学卒業資格を得られます。つまり最終学歴は「大学卒業」となります。