2012年10月22日のニュースで次のようなものがありました。
保健室登校をしている中学生が、学年順位17位の好成績を修めているのにも関わらず、内申点が低い状態で志望校への進学が危ぶまれている。
とのことです。
実はこの問題には色々な見方があります。
- 周りのみんなと同じような集団行動が出来ないため、仕方がない。
- 原因はイジメにあるため、保健室に来ているだけでもエライ。
- 成績さえよければ授業を受けなくても良いのか?
- そもそも、イジメを抑えられなかった教育現場が、更に内申点を低くするなんて訳が分からない。
- イジメの程度は分からないが、これから先、成績が良いだけでまた同じことの繰り返しになるのではないか?
正直難しいところではあります。いくつか考えてみたいと思います。
周りのみんなと同じような集団行動が出来ないため、仕方がない。
中学校は義務教育です。そして勉強もそうですが、社会に出たときの集団行動を身に付ける場でもあります。
みんなと同じ行動、ここでは教室に行って勉強することは基本的なルールです。そのルールを守っていないわけですから、内申点が低くても仕方がないと思います。
原因はイジメにあるため、保健室に来ているだけでもエライ。
しかし、原因はイジメにあるとのこと。これでは、教室に行くことはままならないでしょう。もし、無理に連れて行けば、精神的な苦痛を味わい、学校にさえ来なくなってしまいます。
苦痛を感じるはずの学校に来て、保健室と言えども勉強しているのは評価するに値すると思います。
成績さえよければ授業を受けなくても良いのか?
この状態で内申点を悪くしなければ、他の生徒・保護者への説明が必要となるでしょう。
「教室に来ていないのに内申点は悪くならないのか。」
そう、思ってしまう生徒や保護者が出てきてもおかしくありません。そういった方たちへの対応を適切に行う必要が出てきます。
そもそも、イジメを抑えられなかった教育現場が、更に内申点を低くするなんて訳が分からない。
一番の問題はここだと思います。イジメが起こっているのは学校。イジメをしているのは生徒で、イジメを受けているのも生徒。学校の管轄なんです。
その中で起こったイジメは、学校にも責任があるのです。
中学校ですから、各教科、授業する先生が異なります。つまり、多くの目に触れているわけですが。その多くの目が、イジメを見つけ出すことが出来なかっただけでも責任問題だと思います。
そんな教師が内申点を低くするのは、なんか納得がいきません。そういった事情が分かっているわけですから、各教師が保健室に赴き、短い時間でも授業をしてあげ、その時に授業態度、提出物から内申点を付ければよいと思います。
イジメの程度は分からないが、これから先、成績が良いだけでまた同じことの繰り返しになるのではないか?
ただ、実際には、社会にでてからはこの生徒がしていることが通用するのかどうかは分かりません。少なくても一般的な会社では無理でしょう。
特殊な技術を身に付け、在宅勤務をするとか、運よく自分を受け入れてくれるような職場に就職するとかしなければいけません。
イジメ問題は難しい
イジメ問題は本当に難しいです。各個人によって感じ方が違うためです。外から見ていてなんてことないことも、本人からしてみれば「ひどいイジメ」と取ることもありますし、「ただの遊び」と取る場合もあります。
各個人の受け取り方に違いがある限り、いじめ問題は続くと思います。
今回の事件の解決方法(私見)
イジメがあることが事実で、教室に来れないのであれば「保健室で勉強するのは十分に評価できる」と思います。学校にさえ来たくないと思うのが普通なのに、頑張ってきているためです。
教室での授業を受けられないため、内申点が悪いのであれば、先生が少しでも時間を作り保健室や別室で授業をしてあげれば「評価(授業態度)」は取れます。
宿題も同じものを出し、提出物は直接職員室に出してもらえば良いことです。
そもそもイジメを発見できない、抑止できない学校・教師が内申点を低く算出すること自体が問題です。柔軟な対応をするべきです。
もっというと、授業を受けなくても学年17位ですから、授業を受けている子ども達より勉強したことを評価してあげても良いと思います。
ただ、これがイジメが原因ではなく、「面倒でなんとなく教室に行きたくない」とか「塾に行っているから学校の授業は行く必要がない」とか言っている子どもに対しては、内申点を下げても良いと思います。