教員採用試験に合格していなくても学校の教員の職に就くことはできます。それが「講師」という立場です。
私自身が、小学校で講師として働いていた経験があります。
そのときの経験をもとに、学校での講師の働き方、立場などを紹介していきたいと思います。
このカテゴリー内の記事一覧
講師の基本的な扱い 教諭と同じ
講師はの仕事内容は教諭と基本的には同じです。担任を持つことも普通にあります。
実際に私も小学校2年生の担任をしていました。翌年も2年生の担任をしていました。
そのほか先生には細かな仕事があるのですが、その一部は担当することができます。そのため保護者から見ると、誰が教諭で誰が講師かはわからない状態です。
教諭よりも仕事量は少ない印象
学校には公務分掌というものがあります。学校を運営するための仕事です。
進路指導、生徒会、運動、交通安全など、学校によりさまざまな仕事があるのです。これが学校の先生の仕事としてかなりウエイトを占めています。
私の印象ですが、重要な分掌は教諭が担当します。しかしそうではないものは、講師も担当します。
そのため、その面を考えると講師の方が仕事量が少ないと思います。
教諭の方が待遇面では優遇されている
さまざまな面で正規教諭の方が待遇面では優遇されます。
これがある意味、正社員(教諭)と契約社員(講師)の違いでしょう。
毎年昇給する教諭
たとえば正規教諭は毎年昇給し続けます。しかし講師は一定期間の昇給はありますが、ある一定の給与額となると昇給がストップしてしまいます。
参照 通信大学で教員免許を取り教員採用試験に挑戦!教採に合格すると正規教諭になれる
講師になるためには「教員免許」+「講師登録」
小学校の講師になるためには「教員免許を持った状態で講師登録」をするだけです。
教員免許を取得している人であれば、だれでも各市町村の教育委員会に講師登録を行うことができます。
私は7月の半ばあたりに教育委員会に行き、講師登録を行いました。すると翌週、教育委員会から声がかかり、隣の市で講師として勤務することが決定しました。
私の場合は、出産する先生の代理として採用されたのです。
講師契約は更新制が基本 希望を出せば更新される
講師は契約期間が決まっています。契約内容にもよるのですが、多くの場合は1年契約となります。その先も講師を続けることを希望する場合には、再び1年契約(更新)という形になります。
はじめは翌年3月までの契約だった
7月中旬に講師と採用されたのですが、そのときの契約期間は翌年の3月まででした。
しかしその後、契約更新を校長先生から打診されました。周りの講師の先生や教諭に話を聞いてみると、基本的に一度講師と採用されたら継続的に契約されるとのことです。
よほど問題を起こさない限りです。
そのため講師として何十年も勤務している先生もいました。
勤務先である学校が変わることはある
講師の契約は継続するものですが、他の学校が異動になることはあります。
これはよくある話です。教諭であったとしても数年に一度は異動します。
ちなみに私は、はじめの2年間は同じ学校で勤務しました。その翌年は、新しい学校へ異動となりました。ちなみに新しい学校への異動は自らが希望してのことです。
講師には常勤講師と非常勤講師がある
講師には「常勤講師」と「非常勤講師」があります。
私の場合は常勤講師、つまりフルタイムで働いていました。
しかし数回だけ見たことがあるのですが、非常勤講師もいるのです。どうやら数校をかけ持っている先生のようで、本当にたまにだけ見かける程度でした。
私の知る限り、小学校での話ですが非常勤講師として働く人はそれほど多くはないのかもしれません。
常勤講師であれば普通に生活はできる
常勤講師であれば普通に生活する程度のお給料をもらうことができます。よって普通に生活をすることは可能です。
私自身が生活ができていました。贅沢をすることはできませんが、人並みな生活はできるかと思います。
実際に生活している講師はたくさんいる
これまで多くの講師を見てきましたが、常勤講師であれば最低限の生活をすることは可能です。
そしてある程度のところまでですが、講師という身分であっても昇給もします。年齢や経験にもよりますが月額25万円前後はもらうことは可能ですし、賞与も支給されます。
そのため中には結婚している講師も何人かいました。
講師の労働環境は学校によって異なる
講師として学校で勤務していましたが、とくに働きづらいということはありませんでした。
講師1年目はどうしても大変
もちろん大変なことはありましたし、何度か心が折れそうになったことはあります。ただしそれはどの仕事でも同じことがいえると思うのです。
ましてや講師の場合、採用試験に合格した人が行う「新規採用研修」を受けているわけではありません。何も知らない状態で学校という職場に放り込まれるわけです。そして私のようにはじめからクラス担任になることもあります。
当然苦労することはあります。
はじめはものすごく苦労しましたが、周りの先生がいろいろ助けてくれ、しばらくしてからは最高の職場となりました。
ただしこれは学校によって、そして周りの同僚よっても異なってくるので何ともいえません。学校が変わると働きづらいということもあるかもしれません。
講師だから特別働きにくい・・・と感じたことはありません。
働きにくい職場もある可能性
私はありませんでしたが、同僚から差別されることもあるかもしれません。
差別というのは、「採用試験に合格していない」ということでです。
講師経験が採用試験にプラスに働くことも
講師経験が採用試験にプラスに働くことがあります。
多くの講師は教員採用試験合格に向けて勉強をしています。ただし実際のところ、日々の業務に追われ、なかなか勉強の時間を確保することが難しいのが現状です。
そのため、なかなか勉強時間を確保できない、でも現場での経験のある講師に向けて、講師経験が採用試験でプラスに働くような試験を実施している都道府県もあります。
これにより、本気で先生になりたいと考えている人の道が開けたといってもよいと思います。
講師経験がマイナスとなることも
講師経験がプラスとして働くことがある一方、マイナスとなってしまうことがあります。
もし講師の時に余計なトラブルを起こしてしまっていると、採用試験での合格を目指す際にマイナスとなってしまうとのことです。
余計なトラブルというのは、同僚の先生や保護者とのトラブルなどです。
これは学校のトップクラスの先生複数人から聞いた話ですが、ブラックリストと言われるものがあるらしく、そこに登録されている講師は採用試験ではじかれてしまうとのことです。
このようなこともあり、講師経験は教諭になるためには非常に重要な経験となり、採用試験においても有利に働くのですが、一歩間違えるとマイナスとなってしまうこともあるようです。
ちなみにですが、余程ひどいトラブルでない限り大丈夫のようです。あまり心配しないでください。
まとめ 講師経験は有意義なものとなる
もし教員採用試験に不合格になったとしても、講師として学校で働くことは可能です。
複数の教育委員会に講師登録していれば人手不足ということもあり、どこかしらからは声はかかることでしょう。
私のようにです。
講師として働くのは、普通に学校の先生として勤務することができます。学校の先生の仕事を理解するためもよい経験となると思います。
もしその体験の中で、長く先生として働いていきたいと考えるのであれば、採用試験合格を目指すとよいかもしれません。
ただし働きながらの試験勉強は大変です。正直、学校で働く前に勉強をして採用試験に合格してしまった方が楽ではあると思います。
講師経験が数年以上あると、特別な枠で採用試験を受けられる都道府県もあります。そのような場合には、講師経験を積むという方法もあるでしょう。