働きながら教員免許を取得することはできます。つまり社会人になってからでも学校の先生になることは可能です。
私は23歳で大学を卒業し、25歳から小学校教員を目指し、27歳で小学校教員免許を取得しました。
教員免許を取得するのに要した時間は約2年半です。
ではどのように教員免許を取得したのかという点ですが、それが通信大学で取得したのです。
通信大学は文部科学省でも認められた大学であり、そこで取れる免許や資格は正規のものです。
社会人になってからでは先生になれないと思っている人もいるようなので、今回は「社会人として働きながら通信大学で教員免許を取得するに至った私の動機」に焦点を当ててお話ししていきます。
通信大学での教員免許の取り方については、「通信大学で教員免許を取得 通信大学で人生を変えられる」を参照してみてください。
通信大学で教員免許を取得した2つの理由
私が通信教育で教員免許を取得しようと思った理由を紹介します。
理由は2つ。
1つは、小学校のアルバイトをした経験の中で、教員を目指したいと思う気持ちが高まったため。
そしてもう1つは、仕事をしながらでもスキルアップをしたかったためです。
仕事への満足感が足りなく感じた
私が本格的に教員を目指し始めたのは、小学校でのアルバイトを終えた後、学習塾で講師をはじめたときのことでした。
学習塾での仕事は非常にやりがいがあり面白かったのですが、「満足しているか?」というと、どこか物足りなさを感じていました。
また、塾で仕事をする中で学校での教育に対しての興味が大きくなったということがありました。
私のように何かしらの仕事をしながら「別の何かを目指したい」と頭の片隅で考えている人は意外に多いのではないでしょうか。
塾の先生は教員免許は不要 持っていない人も沢山
塾の講師を行う上で教員免許は不要です。
教員免許は不要ではあるのですが、それを持たない自分に疑問と不安を感じていたのです。ちなみに同僚の中には教員免許を持っている人もいました。
塾で働いている中で、「教員免許を取得することで、教育に対しての見方が変わってくるかも」という思いと、「学校ではどのような教育をしているのだろう。働いてみたい。」という思いが浮かんできました。
教育関係の仕事をしていく中で、教員免許を取得するための動機が複数存在するようになっていったのです。
このようなこともあり、社会人として働きながらでも教員免許を取得することができる通信大学に入学することに決めたのです。
保護者の中には気にする人もいた
塾講師をしながら家庭教師もしていました。
その際に保護者の中には教員免許の有無を気にする人も少数ながらいました。
塾においても、「教える仕事をしているのだから教員免許を持っているはず」と勘違いをしていた保護者がいました。仲の良い保護者との他愛のない会話の中でも「先生は何の教員免許を持っていらっしゃるのですか?」と聞かれることがありました。
嘘を付く必要もないため「教員免許は持っていませんよ」と答えると「え?そうなんですか?知らなかった。塾の先生は持っているとばかり思っていました。」と言われたことがあります。
結果として塾生が辞めてしまうとか、何かしらの問題に発展することはなかったのですが、「塾の先生なら教員免許を持っている」と思い込んでいる保護者はいるのだという事実が分かりました。
免許所持と成績を上げるのは関係ないが・・・
塾の目的は成績を上げることであり、成績さえ上げられれば保護者から何かを言われることはありません。
幸い、成績は上手く上げられていたのですが、もし私が成績を上げられず逆に落とすようなことをしていたら「教員免許を持っていないからだ!」とクレームが来たかもしれません。推測ですけど。
このような思いもあったため、そして自分のスキルアップのため通信大学で教員免許を取得することを決めたのです。
社会人として塾で働きながら通信大学で教員免許取得を開始
社会人として塾で働きながら、通信大学で教員免許の取得を開始しました。
実は学習塾で働く前に、小学校でアルバイトをしていたことがありました。その経験も教員を目指そうと思ったきっかけにはなっています。
その際に年配の先生から「通信大学で教員免許を取ることができる」といった内容の話を聞いたのです。
それまでは通信大学の存在も知りませんでしたし、まして社会人になってから先生になれるなんて思ってもいなかったのです。
生活が落ち着いてきて時間が取れるようになった
学習塾で講師としての生活に慣れ始めたころ、「今が通信教育を始める時だ」と思い、通信大学での教員免許の取得方法を調べ始めました。
結果として選んだのは「明星大学」でした。
ちなみにですが、その当時の塾での立ち位置は時間講師というものであり、いわゆるアルバイトでした。
だからこそ比較的時間を自由に使うことができ、勉強時間を確保しやすかったのです。
2年半で小学校教員免許を取得
通信大学で勉強し始めてから2年半の時間を要し、小学校の教員免許を取得することができました。
その間、教育実習や介護等体験といった実習にも参加しました。実習に参加している間は、授業を休みにさせてもらいまとめて他の日に授業を行いました。その辺りの融通が利いたというのも良かった点です。
働きながらでも通信教育で免許を取ってみてよかった
結論として、働きながら大変ではありましたが教員免許を取って良かったと思います。
通信大学での勉強は基本的には在宅学習であり、一人で勉強を進めていきます。勉強の管理はすべて自分で行うということです。
これは人によって分かれるかとは思うのですが、私としてはそれほど苦痛には感じませんでした。
通信大学の勉強が苦痛ということはなかった
提出するレポート制作や科目試験は、通信大学から送られてくる教科書をある程度読みさえしてさえいればそれほど難しいものではありませんでした。
参照 通信大学での単位の取り方 レポート・試験・スクーリングで単位修得
基本的に1日1時間~2時間程度の勉強時間だったため、塾の講師との両立もでき、実習以外で塾に対して迷惑をかけることもありませんでした。
恐らくですが、他の仕事をしていたとしても勉強を続けることはできたと思います。1日に1時間~2時間ほど時間を確保すればよいだけなので。それが難しいという人は、時間を確保できるようになってから通信大学への入学を考えたほうがよいかもしれません。
実習科目が一番の弊害になる可能性がある
働きながら教員免許を取る上で一番の弊害となるのはおそらく「実習科目」です。
私の場合は、小学校の教員免許を取得していたため、連続4週間の小学校に実習に行く必要がありました。
この4週間連続というところが、働く社会人には大きなネックとなりえるかと思います。
また介護実習も5日間連続+2日間連続行く必要があります。
継続的な勉強が苦手では通信大学での勉強は難しいかも
私は1日1時間~2時間の勉強を基本的には毎日続けました。
週末には5時間前後は教員免許のための勉強をしていました。たまに面倒と思い休みを入れることもありましたが、基本的には継続的に勉強をするようにしていました。
もし継続的な勉強が行うことが苦手という人は、通信大学での勉強は向かないかもしれません。
自分の管理を行えないと通信大学での勉強は難しい
自分で自分のことを管理することが苦手な人も、通信大学での勉強は難しいかもしれません。
小学校や中学校、高校などでの学生時代、学校に行ってさえいれば何を勉強するのか、どの宿題をし、いつ提出するのかなど、周りの動きに合わせていればなんとなくでも進級することができました。
ところが通信大学の場合、学校に直接行くわけではないですし、周りの人がいるわけではありません。自分の勉強の管理は自分で行わなければなりません。これが意外と難しいという人が多いと思うのです。
教員免許を持っていたことで金銭面で助けられた
通信大学で教員免許を取得したことで、すぐに私は助けられることになります。それは金銭面での話です。
学習塾で時間講師から正式に正社員として採用になり働くことになりました。しかし給料がビックリするくらい低く、とても生活できるレベルではありませんでした。
その当時結婚したばかりで、毎月の給料が手取りで15万円とかなりきつい生活を強いられることになってしまったのです。
「流石に長くはこの仕事を続けていられない・・・。」
そう思い、近隣の市町村の教育委員会に講師登録をしに行きました。
講師登録をしてすぐに声がかかった
教育委員会に講師登録をすると、さっそく次の日に連絡がありました。
「講師をお願いしたいのですがよろしいですか?」と言われました。
講師登録を行った最大の理由はお金だったので、給料の質問をさせてもらいました。
すると、
「経験によっても異なるのですが、少なくても20万円以上は貰えますよ。」
という返事が。最低でも5万円も今よりお給料がアップするのです。断る理由がありません。
「よろしくお願いします!」
ここから一気に人生が動き出しました。
すぐに塾を辞め学校に勤務することとなりました。
給料が増え賞与をもらえるようになった
お給料も聞いていた話よりさらに大きな金額を貰えるようになりました。うる覚えですが、手取りで22万円前後でした。
塾で働いていた時よりも毎月7万円給与が増えたのです。
さらに賞与ももらえるようになりました。1年間で4.5ヵ月分(2ヵ月+2.5ヵ月)ですので、通常の給与+賞与で60万円ほどの振り込みとなったのです。(正確な入金額は覚えていないのですが、大体このくらいです。)
明細をはじめに渡されるのですが、金額を見て思わずニヤっとしてしまったのを今でも覚えています。
贅沢するレベルではありませんが、普通の生活を送れるようになりました。
これも社会人になってから通信大学で教員免許を取ったおかげです。まさか教員免許に人生を助けられるとは思ってもみませんでした。
大変ではありましたが働きながら教員免許を取得してよかったと思いました。
教員免許を取得することのできる通信大学
以上のように、私は働きながら教員免許を取得し学校で働いていました。
働きながら勉強するということは人によっては難しいと思うかもしれません。
しかしその当時私には、教員免許を取ることだけが目標でした。結果として取得してよかったと思っています。
通信大学で教員免許を取っている人は非常に多い
私の場合は通信大学で小学校教員免許を取得しましたが、同じような人は非常にたくさんいます。
それを身をもって実感したのは、大学にスクーリングに行ったときのことです。
本当にたくさんの人が複数の教室、食堂、キャンパスにいたのです。
数千人単位の学生を抱える通信大学も
通信大学は数多くあり、その中には数千人規模の学生を抱える通信大学があります。
たとえば主に教員免許を取ることのできる関東最大級の通信大学である明星大学には、在籍学生数が5000人を超えていました。同じように関西最大級の佛教大学には、在籍学生数が8000人を超えていました。
通信大学で取れるのは教員免許だけではありません。さまざまな資格が取れます。また大学卒業資格を取ることもできます。
そのためか調べてみると、日本最大級の学生数を誇るのは放送大学であり、その数は8万人以上。そして京都芸術大学は1.6万人以上とのことです。
非常に多くの学生が通信大学で勉強をしているのです。決して珍しいことではないのです。
通信大学で取得できる教員免許
通信大学では以下のような教員免許を取ることができます。
通信大学で取得できる資格
通信大学では以下ような資格を取ることができます。
ここで紹介している資格は一部であり、そのほかの資格することができるかと思います。
参照 社会人が通信大学を選ぶ4つの理由 働く社会人におすすめな通信大学を紹介
まとめ
繰り返しますが、私は通信大学で教員免許を取って本当によかったと思っています。
もちろんする必要のない勉強をしなければならないため、しばらくの間は大変だと思います。
しかしその先には想像もしえなかった最高の人生が待っていました。
最高の感動をもらった
余談ですが、小学校の先生をしているときさまざまな感動をもらえました。
- 保護者から「先生は先生という職業が転職ですね」といわれた。
- 「こんな悪いクラス見たことがない」といわれるくらいのクラスが、「こんな良いクラス見たことがない」といわれるまでに。
- 学期末最後の授業で、「何か言っておきたいことある人」といったらある生徒が手を上げ「先生最高!」といってくれたこと。
こんな経験が山ほどあります。そしてこんな経験、普通の社会でできますか?
教員の経験が役に立っている
現在は教職から離れ会社経営の傍ら、学習塾も経営しています。
学校で学んだことが会社経営にも学習塾にも活きています。
どのような人生を歩むのかは人それぞれですが、もし現状に不満を持っている、教えることに興味があるというのなら、通信大学で新しい一歩を踏み出してみてもよいと思います。
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